2010年11月4日木曜日

Vipra Narayana (1954)

ANR主演のデヴォーショナルのヒット作。ヴィシュヌ派の12大聖詩人のひとりThondaradippodi Alvarの伝記の映画化。

ヴィプラナラヤナ(アキネニ・ナゲシュワラ・ラオ)はペルマル(タミルでのヴィシュヌ神の別名、Thirumalともいう黒いヴィシヌ像)を崇拝するためにスリランガムのランガナータ寺院へやってくる。かれはそこでナンダーヴァナム(花園)を開いて毎朝ランガナータに花輪を捧げるようになる。人々はかれを聖者として崇拝する。

偖ここにデーヴァデヴィ(バヌマティ)と呼ぶデーヴァダーシがいた。彼女はウラユールの宮廷でチョーラの王に舞を奉納した後スリランガムに立ち寄る。そこでヴィプラナラヤナの祝福を受けようとするが、没我の聖者は彼女を無視する。矜持を傷つけられた舞姫は復讐を誓う。

デーヴァデヴィは家人から放逐されたと偽りヴィプラナラヤナに庇護を求める。聖者は従僕ランガラージャ(レランギ・ヴェンカタラマイアー)の諌めを無視して彼女を受け入れる。デーヴァデヴィは手練手管を用いてヴィプラナラヤナを籠絡する。かれの評判は地に落ち、ランガラージャは師のもとを去る。

デーヴァデヴィはヴィプラナラヤナと肉体関係を結ぶ。嘲弄して去ろうとするとき良心が彼女の非道を説き、彼女はヴィプラナラヤナの愛を受け入れる。二人は母親を訪ねるためにナンダーヴァナムを去る。

母親ランガサニは二人を迎え入れるが、ヴィプラナラヤナが無銭なのを知ってかれを放逐する。ヴィシュヌ神がランガラージャに化身して寺院の黄金の壷をランガサニにもたらす。ランガサニは惹起してヴィプラナラヤナを受け入れる。

ランガナータ寺院では聖なる壷が失われているのが判明して騒動となる。王の兵士がランガサニの青楼で壷を発見、彼女とヴィプラナラヤナは捕縛されて王宮に連行される。王は聖者に窃盗の罰として両腕切断の刑を下すが、刑吏の刃は花輪に変わる。ヴィシュヌ神が顕現し、ヴィプラナラヤナとデーヴァデヴィの前身が天界にあったことを人々に明かす。

人々が親しんだ聖者伝を映画化したものでほとんどストーリーの起伏はない。挿入歌が連鎖的に現れ、一種のミュージカル・メドレーになっている。音楽はこの時代のヒットメーカー、サルリ・ラジェスワラ・ラオが手がけている。

ヒロインのバヌマティ・ラマクリシュナはソングでもセルフダビングを行っている。ダンスはエネルギッシュというよりは四肢の先にいたるまで極めて優美。長らくテルグ語映画界に君臨した名女優であった。

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