2010年11月9日火曜日

Obama in India

オバマがインドに行ってるらしい。景気ぼろぼろのアメリカとしては金回りのいいインドにお世辞のひとつもかまして商売させてもらおうという魂胆がミエミエで、国会でたどたどしいヒンディー語で喋ってみたり、インドの常任理事国入りを後押しするとわざとらしいリップサービスしてみたり、まずは御苦労さんなことである。

インド人のツイッターを見ていると、連中自身まんざらではない気分らしい。これはイギリスから首相のジェームス・キャメロンが同じく商売目的でご用聞きに来たとき大多数がそっぽを向いてたのとはかなり違いが大きい。同じ阿諛追従いわれるにしても、衰え果てた旧宗主国よりもナンバルワンの合衆国から言ってもらったほうが自尊心を満足させられるものらしい。

当然イギリス人にしてみれば内心悔しくてならないから、皮肉のひとつでも言っておきたいところである。BBCではオバマ夫婦がフィルムソングにあわせてステップを踏むクリップを全世界配信して、さすが黒ん坊だけあってダンスが巧い、黒人とインド人、同じ有色人種どうしなら言葉はなくとも踊りで分かり合えるからいいねと言外に臭わせているのが、精一杯の見栄というか意地だろう。

ところで先の国会演説でオバマは米印強調を推進すべき根拠として、両者が大規模な議会制民主主義国家であることを強調し、その共通性に着目している。そこで吐いた科白がこれーーそして、"We are two great republics dedicated to the liberty and justice and quality for all people."よくぞなんぞいけしゃあしゃあとこんなこと口にできたものだ。アメリカが自由と正義を言い出すと碌なことはない。そういうときは間違いなく自国の自由と正義のことしか考えていなし、必ず周辺の「属国」には要らぬ迷惑がおよぶのは日本人は経験上身にしみて知っている。そしてインドが見かけ上は巨大な民主主義国家であっても、どこをどう探しても自由も正義も滅多に見つけることができない国なのは誰でも知ってることだからだ。

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